Working Paper

欧州連合域内排出量取引制度の解説

2019-03

2005年に欧州でキャップ&トレード型の欧州連合域内排出量取引制度(EU ETS: European Union Emissions Trading System)が導入された。EU-ETSは世界で最も歴史の長いETS制度であり、世界の気候変動施策を先取りしたものとして、追随して行われている他の国内排出量取引制度のモデルにもなっている。EU加盟国間の大きな経済格差を含む複雑な事情と経済状況の低迷に対処する中、フェーズ1の実施からの14年間、現在に至るまで多くの課題への対処がなされてきた。しかしながら、試行錯誤的なものも含めて制度内容の変遷も大きく、非常に複雑な制度であることも否めない。
EU ETSに関しては、和文での文献、図書及びWeb上での情報は数多く存在し、経済分析などの論文も散見されるが、制度内容を詳細に解説した文献についてはあまり見受けることはできなかった。そこで、本ワーキングペーパーでは、EU ETSの制度内容について、広範かつ可能な限り詳細に和文で説明したものである。
EU ETSのLessons learnedが、今後のカーボンプライシングを含む気候変動政策の制度設計に資することを期待するばかりである。