Discussion Paper
Topics: Language:
Japanese

パリ協定の各国NDC緩和目標とその進捗状況の定量的評価手法と記載内容提案—透明性・比較可能性を可能とするシンプルな方法論

Author: 
2018-04

「NDC 緩和目標策定・通報」(5 年サイクル)の内容に関するNDC ガイダンスと,「NDC 緩和目標進捗の報告と審査」(2 年サイクル)を扱う透明性枠組みガイドラインは,COP 24 で予定されているパリ協定の詳細ルール設計の中で,非常に重要な位置づけにある.ここでは,GHG 定量化MRV という視点も十分に加味した形で,これらの詳細ルールにおける報告内容に関する制度提案を行う.このペーパーでは,これらの定量化手法は,透明性や比較可能性を高めるもので,
I. 国際制度としてのパリ協定の義務事項であるNDC の通報(5 年毎)や各国の国別報告書(2 年毎)の記述要素となる;
II. それらを国際的に評価する審査プロセスや遵守促進プロセスのベースとなる;
に加え,むしろそれより重要なものとして,
III. 当該国が国内の計画立案や政策措置の実施において,政策担当者にとって正確な状況認識のための自己分析と理解を行う
ことを,その目的として,デザインを行う.その内容は,
(A) NDC 緩和目標達成への進捗状況を評価するシンプルな手法
(B) NDC 緩和目標を正確に定義 (well-defined) するための必要情報と通報(5 年毎)情報
(C) NDC 緩和目標達成への進捗状況を分析・理解する手法
(D) NDC 緩和目標の進捗状況報告(2 年毎)における記載項目
である.報告プロセス自体が,能力開発のためのエクササイズとなることも企図している.
(A) に関しては,NDC 提出直近年を0%,目標達成レベルを100%とし,どのような目標インディケーターにも対応できる比較可能な進捗レベル評価手法を提案する.
(B) に関しては,NDC 緩和目標を多種の要素に分解し,それがwell-defined であるために必要な情報を整理し,加えて,PDCA サイクル要素の記述など,国際ルールが国内対策をより促進することを企図した記載項目を列挙した.
(C) は,要因分析の手法を紹介し,簡単な計算で自国の過去トレンドからNDC 緩和目標までを正しく理解するツールとして使うことができる.
(D) は,2 年サイクルの進捗報告で追加的に必要な報告項目で,教訓のシェアも含む.
なお,ここで提案した記載項目は,必ずしも必須である必要はない.ただ,その項目を設け,それらを要請事項としてできるだけフォローすることで,自然に担当者の理解が進んだり,対策が促進されるようなものであるべき,と考えた設計になっている.

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